愛車との付き合いが長くなると、バイクの寿命について気になる方も多いのではないでしょうか。バイクの寿命は、走行距離が大きく関係しており、目安は5万キロといわれています。
本記事では、バイクの寿命と走行距離の関係や、寿命を長持ちさせるポイントを解説します。バイクを少しでも高く売る方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
バイクの寿命と走行距離の関係とは?

バイクの寿命は、走行距離に大きくかかわっており、目安は5万キロといわれています。排気量の大きいバイクは、エンジンへの負担が少なく走行距離による寿命が長いです。
走行距離によるバイクの寿命を排気量ごとに確認すると、以下が目安になります。
バイクの排気量 | 走行距離 |
---|---|
125cc以下(原付バイク) | 5万キロ |
400cc以下(中型バイク) | 5万キロ 〜 8万キロ |
400cc以上(大型バイク) | 8万キロ 〜 10万キロ |
400cc以上の大型バイクでも、寿命となる走行距離は10万キロが限界とわかります。
また、バイクは、日頃のメンテナンスや運転の仕方により、寿命を長くすることが可能です。適切なケアを施したバイクは、10万キロを超えても元気に走り続けられます。
バイクの寿命が近いサイン

バイクの寿命が近いサインは、以下の通りです。
- マフラーから白い排気ガスが出る
- エンジンがオーバーヒートした
具体的に確認しましょう。
マフラーから白い排気ガスが出る
マフラーから白い排気ガスが出る場合は、エンジンに問題が生じている可能性があります。考えられる白煙の原因は、以下の通りです。
- 水蒸気が白煙に見える
- 2サイクルエンジンである
- エンジンオイルが混入している
4サイクルエンジンのバイクで、エンジンオイルの混入により白煙が出る場合は問題を生じています。オイル上がり・オイル下がりと呼ばれる症状で、いずれもエンジン周りが劣化したサインであるため、バイクの寿命が近いと考えられるでしょう。
白煙の原因を特定する方法として、マフラーに白布をかざすとわかりやすいです。布が水分で濡れると水蒸気であり、薄く色がついたらエンジンオイルの混入と考えられます。気になる場合は、早めにバイク屋さんへ相談しましょう。
また、エアフィルターの詰まりも、白い排気ガスが出る原因です。エアフィルターが詰まるとエンジン内の吸気量が少なくなり、不完全燃焼で白煙が出ます。
エンジンがオーバーヒートした
一度オーバーヒートしたバイクは、エンジンが劣化して寿命を縮めます。エンジン内部が適正温度を超えて熱くなり、金属部品を歪めるのが原因です。
オーバーヒートの具体的な症状は、以下が挙げられます。
- エンストしやすい
- アクセルを回しても加速しない
- エンジンからガリガリと音がする
エンジンから異音がする場合は、大掛かりな修理を必要とする深刻な状態です。少しでもバイクに違和感があれば、エンジンを休ませるなど早めの対応をしましょう。とくに、夏の猛暑日は、エンジンが熱しやすく冷めにくい環境なので、長時間の運転には注意が必要です。
また、水冷エンジンは、空冷エンジンに比べて冷却効率が高くオーバーヒートしにくい特徴があります。しかし、冷却水が減っている場合は、冷却性能が低下しているため、補充の必要があるかを確認しておきましょう。
バイクの寿命を長持ちさせるポイント

愛車と長く付き合うために大切なポイントは、バイクを定期的に運転してコンディションを維持することです。そのうえで、日頃からメンテナンスをおこなうと、バイクの寿命が長持ちします。
今回は、かんたんにバイクの寿命を長持ちさせる方法として、以下の3点を解説します。
- サビ対策する
- 定期的にエンジンオイルを交換する
- たまにエンジンを高回転させる
具体的に確認しましょう。
サビ対策する
バイクのサビを予防するには、雨・湿度・ガソリンへの対策が重要です。サビを放置すると、車体の耐久性や性能が低下して、車体の寿命に大きく影響します。
サビを放置するとリスクが高いパーツは、以下の通りです。
リスクの高いパーツ | サビの影響 |
---|---|
フロントフォーク | オイル漏れによる衝撃吸収性の低下 |
ブレーキキャリパー | 固着によるブレーキ性能の低下 |
ワイヤースポーク | スポークが折れる原因 |
タンク内部 | エンジンの故障・タンクの強度が低下 |
タンク内にサビが生じる原因は、ガソリンが入った状態の長期放置が挙げられます。サビ対策として、長期間バイクに乗らない場合は、タンク内のガソリンを抜いておきましょう。
外部に露出するパーツは、主に雨が原因でサビを生じます。雨天時の走行で濡れたままにしておくと、酸性雨の影響でサビやすいため、水道水で洗い流すと効果的です。また、湿気対策には、バイクを車庫で管理して、カバーの中に除湿材を入れておく方法もあります。
定期的にエンジンオイルを交換する
エンジンオイルの交換は、走行距離3千キロを目安におこないましょう。オイルは、エンジン内部のコンディションを整える役割があり、具体的には以下の作用があります。
エンジンオイルの役割 | エンジン内部への作用 |
---|---|
エンジン内部の潤滑 | 高速回転する金属部品の摩擦を軽減 |
エンジン内部の洗浄 | 燃料爆発にともなう鉄粉や煤を洗い流す |
エンジン内部の防サビ | 金属部品に油膜をつくり湿気から守る |
エンジン内部の冷却 | 熱を吸収して金属部品の変形を防ぐ |
シリンダー部分の密封 | 燃料の圧縮・燃焼時の気密性を維持 |
劣化したエンジンオイルを使い続けると、上記の作用がはたらきづらくなり、バイクの寿命にも大きな影響を与えます。
炎天下のなかでエンジンに高負荷な運転を続けたり、走行距離が3千キロを超えたりしたら、早めにオイルを交換してバイクのコンディションを維持しましょう。
たまにエンジンを高回転させる
たまにエンジンを高回転まで回すと、エンジンバルブに汚れが溜まるのを予防できます。バルブへの汚れの蓄積は、エンジンの故障につながるので事前の対策が重要です。
エンジンバルブとは、空気や燃料を吸気したり排気ガスを排出する部品で、人間でいう心臓の弁のような役割です。排気時は、バルブにカーボンが付着しやすく、汚れが溜まるとエンジン内部のサビの発生や動作不良によりバイクの寿命を縮めます。
エンジンバルブは意識しづらい部分にありますが、日々の運転でエンジンの回転数が低いと感じたら、たまに回転数を上げてバイクの調子を維持しましょう。
注意点として、いつもエンジンを高回転させると車体の負荷が高いです。一方で、常にエンジンが低回転であり、バイクにのる頻度が少ない場合も、エンジンオイルの循環不良やバルブ内の汚れが蓄積しやすく、車体の寿命を縮めます。
バイクの買取査定で確認する項目

バイクの買取査定で確認する項目は、以下の通りです。
- 走行距離
- 車種
- 使用状況(年式)
具体的に確認しましょう。
走行距離
走行距離が少ないほど、バイクの消耗が少ないと判断されて高く評価されます。買取査定に影響する走行距離の基準は、以下の5段階です。
- 5千キロ以下
- 1万キロ以下
- 2万キロ以下
- 3万キロ以下
- 3万キロ以上
バイクのメンテナンスを怠ると、走行距離が2万〜3万キロでも限界がくる可能性もあるため、3万キロが評価の分かれ目になります。買取査定の傾向として、走行距離が1万キロ以下は高く評価され、2万キロを超えると買取価格が安くなりやすいです。
バイクに愛着があると、どうしても長く付き合いたいものです。しかし、買い替えを検討する場合は、評価基準を参考にして、いつまで愛車に乗るかを慎重に考えましょう。
車種
人気の車種や希少性の高いモデルは、走行距離が長くても高値がつきやすいです。バイクの車種は、いろいろな要因で価値が大きく変わるので、連動して買取査定にも影響します。
バイクには、時代によって流行があり、需要が大きく変化します。現在ブームになっているカテゴリーの車種は、査定評価が高いです。一方で、流行がすぎたバイクは、流通量の多さと需要の減少から値崩れしやすくなります。
また、クラシカルなデザインのバイクは、いつの時代でも一定の需要が見込まれるので、価値が安定している傾向です。
愛車の相場が知りたい場合は、バイク情報誌やインターネットでかんたんに調べられます。同じ車種で条件の近いバイクを参考にすれば、おおよその価値を確認できるでしょう。
使用状況(年式)
走行距離が少なくても、バイクの使用状況によっては査定評価が低くなります。年式が古いのに走った距離が極端に少ないバイクは、長く放置されて劣化が進んでいるケースもあるからです。
使用状況として、エンジンのコンディションは査定評価を大きく左右します。オイル漏れや異音に加えて、始動性なども評価の対象です。また、アクセルをひらいた際の回転数や排気音も正常に動作するかをチェックします。
外観では、サビや傷の程度を確認します。タンクやラジエーターのヘコミ、シートのやぶれなどは、損傷が小さい範囲であれば評価を大きく下げることはないでしょう。
また、純正パーツが揃っていると、査定評価が高いです。一方で、バイクをカスタムしていると評価が下がる原因になるので、純正パーツを保管している場合は、一緒に提出するとよいでしょう。
バイクを少しでも高く売る方法

バイクを少しでも高く売る方法は、以下の通りです。
- 洗車しておく
- 高く売れる時期を狙う
具体的に確認しましょう。
洗車しておく
査定前にバイクを洗車しておくと、査定士に日頃からメンテナンスしていた車両であるとアピールできます。洗車をして買取価格が上がる訳ではありませんが、汚れによるマイナス評価を防げるため重要です。
買取査定時に、泥汚れや埃っぽい外装だと長く放置されたバイクと判断されて評価を下げる要因になります。一方で、きれいに洗車されたバイクは、日頃からのメンテナンスも評価されて、買取価格が高くなりやすいです。
タンク・マフラー・タイヤ周りは、とくに目立ちやすいポイントなので、丁寧に汚れを取り除きましょう。
ただし、洗車時は、注意しないと新たな傷をつける場合があります。十分に泡立てたスポンジで慎重に洗い、しっかり水気を拭き取りましょう。
高く売れる時期を狙う
バイクが高く売れる時期は、主に春先から初夏にかけてです。買取価格は、年間を通して一定ではないので、高く売れる狙い目を理解しておきましょう。
季節ごとの狙い目の時期は、以下の通りです。
時期 | 狙い目の理由 |
---|---|
春の新生活シーズン | 新生活でバイクの需要が高くなる |
大型連休前(GW・夏休み) | 長期休暇でツーリング需要が高くなる |
秋の台風シーズン | 夏に売れた在庫の補充で買取りに積極的 |
冬のボーナスシーズン | 資金に余裕が生まれ購入が意欲的になる |
バイク需要がもっとも高い新生活シーズンは、買取金額が高くなりやすい傾向があります。一方で、気候が寒くなるとバイクの需要は下がり、冬はもっとも価格が安いです。冬にバイクを売りたい場合は、ボーナスシーズンまで日程に余裕をもって買取をおこないましょう。
買取業者によっては、買い取りたいタイミングが異なり、価格に影響する場合も考えられます。バイクを査定する際は、必ず相見積もりをとって、どこが一番高く売れるかを確認してみましょう。
まとめ

今回は、バイクの寿命と走行距離の関係について解説しました。走行距離によるバイクの寿命は、5万キロが目安です。
バイクは、日頃のメンテナンスや運転の仕方により寿命が長持ちしやすく、10万キロを超えても元気に走り続けられます。バイクの寿命を長持ちさせるポイントは、以下の通りです。
- サビ対策する
- 定期的にエンジンオイルを交換する
- たまにエンジンを高回転させる
また、バイクを少しでも高く売る方法として、査定前に車体をきれいに洗車しておき、需要が増える春先から初夏を狙うと買取金額が高くなります。
ぜひ、本記事を参考にして、愛車の寿命を長持ちさせつつ、乗り換え時期についても検討してみましょう。
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