今回は、バイクのアクセルを回すとエンジンが止まってしまう原因から解決方法までしっかり解説していきます。
まず、アクセル回すと止まってしまうという言葉に若干違和感を覚えるかもしれません。
Fi車が多い現代ではありえないと思っている方も少なくはないと思いますが、キャブ車に限らず、Fi車でもエンジンが止まってしまうことがあります。
その原因と対策、解決方法を皆様に知って頂けたらいいなと思っておりますので、是非ご参考までにご覧ください。
バイクのアクセルを回すとエンジンが止まってしまう原因
たまに、アクセル回すとエンジンが止まってしまうことはありませんか?
その症状絶対に見て見ぬふりしないでください。
なんで、見て見ぬふりしてはいけないのか原因を6種類ご紹介いたします。
- 暖気がしっかりできていない
- 点火系の不具合
- 燃料系の不具合
- 吸気系の不具合
- キャブレターの不具合
- スロットルポジションセンサーの故障
「こんなにあるの!?」とびっくりする方も多いのではないでしょうか。
主に暖気が出来ていないのが原因ですが、暖気しても治らなければ、その他の部分も追及してみましょう。
では、それぞれの原因をわかりやすく解説していきます。
暖気がしっかりできていない
まず一つの理由として、暖気が出来ていないとアクセル回してもエンジンが止まってしまいます。
基本暖気をするのはキャブレター車なので最新型のFi車では暖気はしなくても大丈夫です。
では、暖気しないとなぜエンジンが止まってしまうのか。
キャブレターとFiはエンジンとつながっており、ガソリンと空気を混ぜてエンジンの内部に送り込む燃料供給装置の名前です。
この作業をアナログな方法で行うのが「キャブレター」、デジタルな方法でするのが「Fi(インジェクション)」この2種類です。
暖気しないとガソリンが霧化がうまくいかずエンストを起こしてしまう。
潤滑油が冷えている状態で走ってしまうと各部品が摩擦し壊れやすくなってしまう。
暖気は主にキャブレター車でされるものですが、一応Fi車もした方が良いです。
Fi車はしなくても良いと言われていますが、こちらも潤滑油が冷えている状態だと部品が摩擦します。
逆にFi車はしなくても良いと言われている理由としては、センサーによって自動で調整してくれる為暖気は不要と言われています。
Fi車でもエンジンなどが冷え切っていたり数週間~数か月放置していたらアクセル回すとエンジンが止まってしまう現象が起きます。
点火系の不具合
点火系はスパークプラグが主な原因となっており、スパークプラグが劣化することによって電気を飛ばしている先端の電極が削れて行きます。
スパークプラグは、ガソリンを燃焼させるために着火の役割を果たすとても重要なパーツとなっております。
そのため徐々に火花が弱くなりアイドリングが不安定になってしまったりエンジンが掛かりづらくなってしまうことがあります。
また、イグニッションコイルと言ってスパークプラグに電気を流す役目があるものが故障していても同じです。
イグニッションオイルは壊れるまで基本交換しなくても良いのですが、交換時期は約10万㎞となっています。
スパークプラグの交換時期は約5,000㎞となっています。
スパークプラグを交換する際に先端の色も確認してください。
スパークプラグの先端が茶色であれば点火できているのですが、黒色又は、白色であった場合異常があるとみてください。
スパークプラグが黒く焼けている場合 | スパークプラグが白く焼けている場合 |
燃料が多く、空気が少ない | 燃料が少なく、空気が多い |
このような原因があるので、交換した際茶色でなかった場合は、最初にこの二つの原因かを確かめましょう。
燃料系の不具合
燃料系が不具合を起こしていた場合、燃料フィルターが詰まっていないかを確認してください。
燃料フィルターが詰まっていると、エンジンへの燃料供給が出来ずアクセルを回してもエンジンがしっかり反応が出来ず止まってしまうというトラブルが発生してしまいます。
また、アクセルを回した時に、空気の量に対して燃料が追い付かないことがあります。
その時は、メインジェットを疑いましょう。
メインジェットを自分で見るのは時間が掛かってしまうため、あまり時間がない方はしっかりバイク屋さんで見てもらいましょう。
吸気系の不具合
バイクは空気を燃料と同じ比率で取り入れないとエンジンが掛かりません。
そのため空気が多い空気が少ない多少の誤差でもエンジンが掛かりづらくなってしまいます。
エアフィルタ―自体そこまで頻繁に汚れたり、エンジンが掛かりづらくなるほど汚れることは少ないです。
また、インシュレーター(暖衝材)に亀裂が入っていたり、ボルトがしっかり閉まっているか確認してください。
エンジン掛かってもエンストしやすい、又は、アイドリングが安定しないというときはエアクリーナーも確認しましょう。
雨の日など走ったりすると、湿ったほこり等が付きやすくなるので、梅雨の時期は特に気を付けてください。
キャブレターの不具合
最近のバイクはキャブレターが少ないですが、昔のバイクに乗っていたりするとキャブレターというものが付いています。
キャブレターはインジェクションと違い大きく目に見えるところにいるのですが汚れがその分溜まりやすくなっていたり、劣化しやすくなっています。
キャブレターの中には色々な微細部品が入っているのですがすべてエンジンをかけるのに重要な部品になってきます、中に錆が出来たり1つの部品に汚れが詰まってしまうだけですぐ不調になってしまいます。
キャブレターが詰まってしまう原因はガソリンの劣化によるものが主に詰まる原因になっています。
車両に乗らないまま数か月放置してしまうとすぐにキャブレターが詰まりやすくなってしまうため頻繁に乗ったほうが良いでしょう。
スロットルポジションセンサーの故障
スロットルポジションセンサーはアクセルがどれぐらい空いているかエンジンコントロールユニット(エンジン制御装置)に信号を送るシステムなのですが、スロットルポジションセンサーが少しでも調整が出来なくなると、燃料の噴射量が多くなってしまったり少なくなってしまったり、点火タイミングが不正確になってしまいます。
そのため、アクセルを回した際エンジンが反応してくれずエンストを引き起こしてしまう原因になってしまいます。
交換はバイク屋さんでもできるので上記のどれでもなかった場合はスロットルポジションセンサーも確認した方が良いです。
バイクのアクセルを回すとエンジンが止まる原因の対象法
実際この症状が出ると、どうしたら良いかわからなくなると思いますが焦らずに対処してください。
ご紹介させて頂くのはすぐに実行出来るものではないので少しでも異変が出始めたら色々な方法をお試しください。
- キャブレターの清掃をする
- 電子制御系統の診断を受ける
- 燃料系をチェックする
こちら3種類をご紹介させて頂きます。
ご参考までにご覧ください。
キャブレターの清掃をする
キャブレターの清掃は、キャブレターを分解してから清掃を始めましょう。
キャブレターを分解するのが怖い、したことがない為自信がないという方はバイク屋さんでもキャブレター清掃をしてくれるので是非お近くのお店に問い合わせしてみてください。
キャブレターを清掃する際に、キャブレター専用のクリーナースプレーがありますのでそれを利用し、しっかり清掃をしましょう。
電子制御系統の診断を受ける
電子制御診断は、バイクショップで出来ますが扱っていない場合もありますのでお近くのショップにご確認ください。
電子制御系統の診断は、車体各部のセンサーに今まで異常がなかったかコンピューターの記憶をデータとして出すことができます。
Fi車はセンサーが車体の至る所にあるので、少しの動作で誤作動を起こしてしまう場合があります。
メーターに今まで付いたことのないものが付いたりしても利用できますので、是非お近くのショップへ問い合わせてみてください。
燃料系をチェックする
燃料系のチェックする部分は、燃料フィルターや燃料ポンプが詰まっているか確認してください。
燃料フィルターが詰まっていたり、燃料ポンプが劣化してしまっている場合はすぐに交換しましょう。
燃料ポンプに不具合が起こった場合、警告灯が点灯します。
燃料フィルターに不具合が起こった場合、アイドリングが不安定になります。
この二つが一番わかりやすい症状なので少しでも違和感を感じたら近くのバイクショップで修理しましょう。
バイクのアクセルを回すとエンジンが止まってしまう前にできる対策
エンストが毎回なってしまうとバイクの故障の原因に繋がってしまいますので、対策の方もしっかり行ってください。
- 定期的な燃料系のメンテナンス
- エアクリーナーやスパークプラグ等の交換、清掃
上記の2種類を紹介させて頂きます。
対策をして頂くだけでも防げられる現象なので、これを見て頂いたら是非ご参考までに対策してみてください。
定期的な燃料系のメンテナンス
燃料系のメンテナンスは、バイクショップでもしてもらえます。
何度かバイクを触っている方でもできるので、是非してみてください。
メンテナンスをするだけで、劣化やつまり等に早めに気付けるので、おすすめです。
メンテナンスは半年に1回でも良いです。
ですが例外として、誰かから貰ったバイク、ネットオークションで買ったバイクはメンテナンスされていない車両が多いので貰った後買って届いた後に必ず燃料系統もメンテナンスをしましょう。
エアクリーナーやスパークプラグ等の交換、清掃
エアクリーナーは一度取りエアクリーナー用洗剤があるので、それを使って清掃していきます。
定期的に清掃しないと空気が燃料と平等にできないためするようにしましょう。
また、エアフィルターには乾式、湿式と2種類あるためメンテナンス方法がそれぞれ違いますので要注意です。
スパークプラグは、点火するのに重要な部品になります。
スパークプラグの寿命は種類や車両によって変わりますが、大体約15,000km~20,000kmほどで交換するようにしましょう。
バイクがエンストを起こす際どのような症状が出るのか
実はバイクがエンストを起こしやすくなる前兆に起こりやすい症状があります。
起こりやすい症状3種類ご紹介させて頂きますので、ご参考までにご覧ください
- 息つき
- バイクがかぶる
- 回転数が上がらない
息つき
息つきは燃料不足と失火によっておこることがあります。
インジェクションとキャブレター共通の息つき原因は、エアクリーナーの汚れや部品摩擦による劣化によってよくなります。
インジェクションではコンピューターの制御トラブルもよくあります。
キャブでは、燃調があっていない場合が有るためその際は空燃比調整を行いましょう。
回転数が合わなくなってくると息つき始めます。
息つきの音は「ボコボコ」音が鳴るので走っているときその音が鳴り始めたら焦らずバイクショップに電話し修理できるか聞いてから向かうのが良いでしょう。
バイクがかぶる
バイクかぶるという言葉は、バイクに乗っていると一度は聞く言葉だと思います。
そもそもバイクかぶるってどういう事?という方も多いと思います。
バイクがかぶったということは、プラグの火花が出る部分が濡れてしまいエンジンに点火できず不動状態になってしまう。
ですが、プラグだった場合は交換していただいたらしっかり動くようになるのでご安心ください。
では、なぜプラグの火花が出る部分が濡れてしまうのでしょうか。
スパークプラグは、ガソリンと空気が混ざり合ったところに火花を飛ばして点火しますが、燃料が燃焼しきれずガソリンが液体のままプラグの点火部分を濡らしてしまう現象が起きます。
プラグが濡れていたら、ウエス等でガソリンを拭き取り乾かしてください。
回転数が上がらない
回転数が上がらない原因は、確定でこれしかないというものが無く様々な理由がありますが、主な原因を一つご紹介いたします。
また、キャブ車とインジェクション車では原因が多少変わってきますので参考程度にご覧ください。
キャブ車
キャブレターのメインジェットの詰まっているということが回転数が上がらない主な原因です。
メインジェットの詰まりは、劣化したガソリンがヘドロ状になり詰まってしまうというケースです。
頻繁に乗っていたらガソリンは劣化しないのですが、旧車等は長年乗り続けられ過走行になっていたり長期間放置された車両が多いためガソリンが劣化したり蒸発や酸化が進んでヘドロ状になっていきます。
では、メインジェットの詰まりは絶対に経験するものなのか。
結論:対策を練っていたら経験することは無いです。
対策と言ってもキャブレターの清掃時に分解するので、その際にメインジェットだけでなくスロージェット、メインジェットの下にあるニードルジェットというものがあります。
ジェットも分解し、しっかり清掃を行ってください。
まとめ
今回は、誰もが気になる「エンジンをかけてアクセル回すとエンジンが止まってしまう」この現象は暖気をしていなかったという理由だけではないということを知って頂けたのではないでしょうか。
バイクの詳しい部分を触るには少し怖いなと思われる方はお近くのバイクショップに持ち込むことをおすすめします。
今回のポイントは、「定期的にメンテナンスをする」「暖気をしっかりする」という部分になります。
メンテナンスや暖気をするだけで、エンジンの寿命、故障する確率が下がります。
もちろんその分、バイクの不調にも気付きやすくなるためデメリットは無いです。
出かける前にエンジンが掛かっても停めたらもうエンジン掛からなくなるんじゃないかという心配もなくなると思いますので、最低半年に一回はメンテナンスを行いましょう。
キャブ車は勿論、インジェクション車でも必ずメンテナンス・暖気をしっかり行い楽しく安全に乗れるよう心掛けましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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