バイクが事故車になってしまい、売却できるのか心配になる方も多いのではないでしょうか。
事故車とはメインフレームが損傷した車両であり、商品価値が下がった状態です。ただし、買取しやすい特徴に当てはまるバイクは、十分に売却を見込めます。
本記事では、バイクの事故車は売れるのかを解説します。少しでも高く売る方法や買取の流れも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
バイク事故車の定義とは

バイクの事故車とは、メインフレームが損傷した車両です。フレームは、全てのパーツを支える最も重要な部品であり、バイク本体ともいえます。
たとえば、自身のバイクが事故に遭い、フロントフォークやホイールが損傷していても、メインフレームに損傷がなければ事故車にはなりません。一方で、事故に遭っていなくても、カスタムでメインフレームを加工すると事故車として扱われます。
また、バイクの中古車販売では、事故車と表示することは少ないです。自動車公正取引協議会が示す二輪自動車公正競争規約集には、販売の際に「事故車」と表記する決まりはなく、「修復歴」を表記する規定があります。したがって、「修復歴有り」を見かけたら、念の為どの箇所を修理したのか確認しておくと良いでしょう。
バイク事故車は売れるのか

メインフレームを損傷したバイクは、事故車となり商品価値が下がるため、業者によっては買取を断る場合も考えられます。
本項では、バイクの事故車は売れるのかを「買取しやすい特徴」と「買取を断られやすい特徴」に分けて解説します。
買取しやすい特徴
買取しやすいバイク事故車の特徴は、以下の通りです。
- エンジンが問題なく稼働する
- メインフレームに深刻な損傷がない
- 事故からの期間が短い
早速、確認しましょう。
エンジンが問題なく稼働する
エンジンが正常に動くバイクは、事故車でも買取してもらいやすいです。運転に最も重要なパーツが無事であるため、価格がつきやすくなります。
業者が再販に向けてバイクを整備する際、エンジンに不調がなければ他の部品に多少の損傷があっても手間とコストが少なく再販がしやすいです。また、人気の車種は、エンジンのみでもパーツに需要があり買取してもらえます。
走行距離が少ないバイクは、エンジンの消耗が少ないと判断してもらえます。査定時に買取評価が高くなるポイントなのでしっかり伝えておきましょう。
メインフレームに深刻な損傷がない
バイクのメインフレームに深刻な損傷がなければ、買取してもらいやすいです。走行に支障がなく、修復の手間が少ない事故車は価格がつきやすくなります。
メインフレームの歪みが軽度の車両は、業者が自社工場をもっていると少ないコストでフレームを修復できるため、再販しやすいです。
ただし、事故に遭ったバイクのメインフレームに損傷があるかは、自己判断が難しいものです。バイクの修理業者に確認を依頼して、フレームに歪みがないか事前に調べておくと良いでしょう。
事故からの期間が短い
事故からの期間が短いバイクは、買取してもらいやすくなります。損傷したパーツ以外は、状態が良いと判断されるからです。
走行不能な事故車は放置期間が長くなりやすく、車体のあらゆるパーツが徐々に劣化します。最悪の場合、不動車となりエンジンなどに問題が生じると、再販までの整備コストが高くなり、買取を断られるケースも多いです。
一方で、事故からの期間が短いと、最近まで実際に走行していたバイクであるため、損傷した部分だけの修復で再販できます。放置によるパーツの劣化がないので、査定がしやすい点も評価されるポイントです。
買取を断られやすい特徴
買取しやすいバイク事故車の特徴は、以下の通りです。
- エンジンが起動しない
- メインフレームが曲がっている
- 年式が古い
さっそく内容を確認しましょう。
エンジンが起動しない
エンジンに問題があり、正常に動かない事故車は買取を断られやすくなります。再販までの手間とコストが高く採算が合わないためです。
基本的に、事故車は「修復歴あり」と表記され、再販時の価格が安くなります。そのうえ、エンジンに問題があると、オーバーホールが必要になる場合もあり、整備コストの方が高くなると判断されやすいです。
事故車のエンジンに問題があり、バイクとしての買取が難しい場合は、パーツの買取をおこなう業者に依頼しましょう。とくに、純正パーツは需要の高く、買い手が見つかりやすいです。
メインフレームが曲がっている
メインフレームが曲がっているバイクは、買取を断られやすいです。再販までの整備コストが高くなり、採算が合わないと判断されます。
損傷が深刻なメインフレームは、板金をするなど修復のコストが高額になります。また、バイクの構造上、あらゆるパーツはメインフレームに付いており、フレームを修理する手間が大きい点も買取を敬遠される理由です。
万が一、メインフレーム自体を交換する場合は、車体番号がフレームに刻印してある関係上、車体番号が変わります。車両の登録も変更する必要があり、役場や運輸支局で手続きをおこなうことを理解しておきましょう。
年式が古い
年式の古い事故車は、買取を断られやすいです。整備する箇所が多く、必要なパーツが揃わない場合もあるからです。
年式が古いバイクは、パーツの流通量が少なく再販の難易度が格段に上がります。とくに、販売を終了したモデルは部品が入手不能な場合もあり、修復箇所の多い事故車は価格がつきにくいです。
一方で、年式が古くても人気のあるモデルの事故車は、純正パーツの需要が高く、パーツの買取が期待できます。バイクとしての買取が難しい際の選択肢として検討してみましょう。
バイク事故車を少しでも高く売る方法

バイク事故車を少しでも高く売る方法は、以下の通りです。
- バイクの状態を正確に伝える
- 修理工場がある業者を選ぶ
- 相見積もりをとる
具体的に確認しましょう。
バイクの状態を正確に伝える
買取価格を適正に評価してもらうために、バイクの状態を正確に伝えましょう。修理の必要な部分がわかりやすく、再販コストを把握できるので価格がつきやすくなります。
事故車のバイクを買取業者に査定してもらう際は、修復歴やカスタムした部分を隠さず伝えると、信頼関係を築けて不要な減額を避けやすいです。バイクの事故の詳細や修復箇所の記録を残しておくと、査定もスムーズになり後々のトラブルも防げます。
修理工場がある業者を選ぶ
修理工場を持っている業者は、事故車を高く買取ってもらいやすいです。損傷部分を修復する際に、整備を自社設備でおこなうのでコストを抑えられます。
買取のみをおこなう業者は、バイクを整備する際に修理工場へ外注します。費用には部品代・工賃・手数料などが含まれるのが一般的です。
自社に修理工場がある業者は、コストが部品代のみです。運搬の手間も最小限で済み、再販のコストを抑えられるので、買取価格を高く設定してもらいやすい特徴があります。
相見積もりをとる
バイクの事故車を少しでも高く買取ってもらうには、複数社への相見積もりが効果的です。買取基準や再販ルートは業者ごとに異なり、1社だけでは本来の価値より安く査定される可能性があります。
バイクの状態や動作可否を正確に伝え、少なくても3社程度に見積もりを依頼しましょう。近年はインターネットやSNSから手軽に査定でき、一括査定サービスを使えば効率的に比較が可能です。
とはいえ、オンラインでは事故車の査定が難しく、実際に現物を査定すると思っていた金額より安くなる場合が考えられます。残念なことに、なかには悪質に安い買取金額を提示する業者も存在するので、適正な相場を知るうえでも相見積もりが役立つでしょう。
バイク事故車の買取の流れ

バイク事故車の買取の流れを、以下の流れに沿って解説します。
- 買取の問い合わせをする
- 買取査定をしてもらう
- 売買の契約をする
- 支払いと名義変更の確認をする
早速、詳細を確認しましょう。
買取の問い合わせをする
バイクの事故車を買い取ってもらう第一歩は、買取業者への問い合わせです。まず、業者に連絡したら、事故車の買取をしてもらえるかを確認しましょう。買取が可能であれば、以下のポイントを正確に伝えるとスムーズに対応してもらえます。
- 車種
- 年式
- 走行距離
- 損傷の状況
業者によっては、買取基準や得意分野が異なるため、複数社に問い合わせると買取金額に納得しやすくなります。また、電話で問い合わせる場合は、担当者が誠実な人柄であるか確認しながら業者を選ぶと安心です。
買取査定をしてもらう
問い合わせをしたら、実際に現物の査定を受けます。出張査定のケースが多いですが、遠方であれば写真査定など査定方法はさまざまです。
査定時は、修理履歴やカスタムした部分など、正確な情報を伝えることが高額査定のポイントです。また、複数の業者に査定してもらうと買取価格の相場が分かり、交渉材料になります。納得できる価格を提示してくれる業者を選びましょう。
売買の契約をする
査定額に納得したら、売買の契約を結びます。バイクを売却するには、以下の必要書類を揃えておきましょう。
- 身分証
- 印鑑
- 軽自動車届出済書(126cc~250ccの場合)
- 標識交付証明書または車検証
- 自賠責保険証明書
契約の際は、後からトラブルを避けるためにも査定金額・支払い方法・キャンセル条件を必ず確認することが重要です。また、名義変更や、廃車の手続きを代行してもらえるか確認しておくと、売却後の手続きがスムーズになります。
支払いと名義変更の確認をする
契約後は、代金の支払いと名義変更が適切に行われたか確認しましょう。一般的に、支払いは当日または数日以内に振り込まれます。
入金を確認したら、名義変更にかかわる譲渡証明書や登録書類を受けとることが大切です。後になって、思わぬトラブルや税金の納付書が届く心配を未然に防げるので、安心のためにも忘れず最後まで確認しましょう。
バイク事故車はどこまで修理できるか

バイクの事故車を修理する際は、どの程度まで直したいか基準を決めることが重要です。損傷したパーツによって修復の難易度が大きく異なります。
事故車の修理を依頼する際に、事故前の状態に戻したいと考える方が多いものです。たとえば、交換が簡単なライト部分やマフラーなどは修理がしやすいです。しかし、メインフレームやハンドルなどは、見た目はきれいに直っていても実際に走行すると違和感を感じることがあります。
交通事故で損傷した事故車の場合、何かに衝突したバイクは、基本的に修復が困難になります。一方で、ゆるやかなスピードで転倒した程度であれば、修復できれいになる場合が多いです。
バイク事故車の処分方法

バイクの事故車を処分する方法には、大きく売却・廃棄に分けられます。目的により依頼する業者が異なります。
| 処分方法 | 目的 | 有料/無料 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 自動車リサイクル促進センター | 廃棄 | 無料 | 全国に指定取引場所がある |
| 廃棄二輪取扱店 | 廃棄 | 有料 | 回収も依頼可能 |
| バイク処分専門業者 | 廃棄 | 無料 | 回収も依頼可能 |
| 不用品回収業者 | 廃棄 | 有料 | 付属品もまとめて廃棄可能 |
| バイク買取業者 | 売却 | 運搬費のみ有料 | 廃車手続きの代行が可能 |
| オークションサイト | 売却 | 運搬費・手数料が有料 | 手続きは自身でおこなう |
バイクを処分する際は、必ず3月末までに廃車を完了しましょう。4月1日時点で所有しているバイクには軽自動車税が課せられるため、すみやかに管轄の役場・運輸支局で廃車手続きをおこなってください。
まとめ

バイクにおける事故車とは、メインフレームに損傷のある車両です。フレームを損傷すると、一般的には「修復歴あり」として商品価値が下がってしまいます。
事故車になったバイクでも、以下の特徴に当てはまる車両は買取しやすいです。
- エンジンが問題なく稼働する
- メインフレームに深刻な損傷がない
- 事故からの期間が短い
バイクが事故車になった場合は、損傷の詳細や修復歴を記録しておきましょう。また、複数の買取業者に問い合わせて、買取金額を比較してみてください。
