バイクの車検が切れたら、罰則や移動方法を正しく理解することが大切です。
この記事では、車検切れバイクのリスクと再車検の流れを詳しく解説。仮ナンバーを使った移動方法や、名義変更・売却のポイントも紹介します。
車検の有効期間や更新時期を知り、安心してバイクライフを続けましょう。
車検切れバイクを運転したら?罰則とリスク

車検が切れたバイクで公道を走行すると、法律で厳しく罰せられます。たとえ短距離でも運転すれば「道路運送車両法」や「自動車損害賠償保障法」に違反します。
主な罰則は以下のとおりです。
【車検切れバイクの罰則内容】
| 減点 | 免許停止期間 | 罰則内容 | |
| 自賠責保険が有効な場合 | 6点 | 30日以上 | 6か月以下の懲役 または 30万円以下の罰金 |
| 自賠責保険も切れている場合 | 12点 | 90日以上 | 1年6か月以下の懲役 または 80万円以下の罰金 |
このように、車検切れのまま走ると非常に重い処分を受けます。少しの油断が免許停止につながるため、期限を過ぎたバイクは絶対に運転せず、速やかに車検の更新や仮ナンバーの取得を行いましょう。
バイクの車検は排気量や年数で有効期間が違う
車検が切れないようにするには、期間や更新可能な時期を理解することが大切です。
ここではバイクの排気量ごとのルールや更新のタイミングを解説します。
バイク車検は何年ごと?排気量別の違い
バイクの車検は、排気量によって有効期間が異なります。
まず、排気量250ccを超えるバイクは「車検が必要」、250cc以下は「車検が不要」です。
車検が必要なバイクは、新車登録から3年後に初回車検を受け、以降は2年ごとに更新します。一方、250cc以下の軽二輪や原付は車検が不要ですが、「道路運送車両法」により定期点検整備の実施が義務付けられています。
| 排気量 | 区分 | 車検の有無 | 車検周期 |
| 50cc以下 | 原付一種 | 不要 | ― |
| 51〜125cc | 原付二種 | 不要 | ― |
| 126〜250cc | 軽二輪 | 不要(点検義務あり) | ― |
| 251cc以上 | 小型二輪・大型二輪 | 必要 | 初回3年、以降2年ごと |
このように、バイクの排気量によって車検の有無や周期が変わります。所有バイクの区分を確認し、車検時期を逃さないよう注意しましょう。
車検は何日前から受けられる?
バイクの車検を受ける時期に、実は明確な決まりはありません。いつでも受検は可能ですが、有効期限の2か月前から受けると有効期間を損なわずに更新できます。
この制度は2025年4月の改正で緩和され、従来の「1か月前まで」よりも余裕ができました。
たとえば、車検の満了日が2026年8月15日の場合、6月15日以降に受ければ次回の満了日は2028年8月15日となります。ただし、6月10日など2か月以上前に受けると、その分有効期間が短くなります。
無駄のない更新をするためにも、2か月前を目安に予約・整備を進めるのがおすすめです。
参考:来年4月より、車検を受けられる期間が延びます|国土交通省
車検切れバイクを移動させる合法的な方法

車検切れのバイクを動かすには、ルールに沿った方法をとる必要があります。主な移動方法をまとめました。
- 仮ナンバーを取得して自走する
- 業者やショップに引き取りを依頼する
仮ナンバーを取得して自走する
仮ナンバーを取得すれば、車検切れのバイクでも一時的に公道を走行できます。
この制度は法律で認められたもので、車検場や整備工場など、目的地までの移動に限り使用可能です。申請は市区町村の役所で行い、必要書類を提出すれば即日発行されます。使用期間は最長5日間ほどで、期限を過ぎると無効になります。
仮ナンバーを利用すれば、レッカー費用や輸送手配が不要になり、コストを抑えられるのが大きなメリットです。正しい手続きを踏み、安全かつ合法的にバイクを移動させましょう。
仮ナンバーの取得方法
仮ナンバーを取得するには、自賠責保険への加入と市区町村での申請が必要です。手順を守れば、車検切れバイクでも合法的に自走できます。
以下の流れで仮ナンバーの取得を進めましょう。
- 自賠責保険に加入する
保険期間が切れている場合は再加入が必要です。窓口は損害保険会社やバイク販売店など。保険料は加入期間により異なります。 - 役所で仮ナンバーを申請する
市区町村の役所で手続きします。地域により金額や支払い方法が異なるため、事前確認をおすすめします。
申請時に必要な書類
- 有効期限内の自賠責保険証
- 車検証または登録識別情報通知書
- 臨時運行許可申請書
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 手数料 - 仮ナンバーを取り付ける
交付後は、仮ナンバーをバイクに取り付けます。大型サイズの場合は、ワイヤーやタイラップなどでしっかり留めましょう。
この流れを守れば、安全かつ合法的に車検場や整備工場まで自走できます。
参考:臨時運行許可|近畿運輸局
業者やショップに引き取りを依頼する
車検切れのバイクを安全に運ぶなら、業者やショップへの引き取り依頼が最も確実です。
自走せずに済むため、罰則の心配もありません。仮ナンバーの申請や輸送手配を自分で行う必要がなく、手間を大幅に減らせます。
【引き取り依頼のメリットと流れ】
- 業者に依頼するメリット
車検代行業者やバイク買取店が、自宅や保管場所までトラックで引き取りに来てくれます。車検切れ・不動車でも問題ありません。 - 対応範囲と費用
多くの業者が無料で対応しますが、地域や距離によっては費用がかかることもあります。事前に見積もりを確認しましょう。
業者によっては、廃車や名義変更もまとめて代行してくれます。
手間をかけずに安全に運びたい方は、信頼できる業者への依頼がおすすめです。
車検切れバイクを再車検する方法
車検切れでも、正しい手続きを踏めば再度公道を走れるようになります。
必要な準備や流れを見ていきましょう。
車検切れバイクは「継続検査」
車検が切れたバイクを再び走らせるには、「継続検査(継続車検)」を受ける必要があります。
車検には「新規検査」と「継続検査」の2種類がありますが、車検切れのバイクは後者に該当します。継続検査とは、すでに登録済みの車両が安全基準を満たしているかを確認するための検査です。
【継続検査の特徴】
- 手続きは有効期間内の車検とほぼ同じ
- 検査内容は、ブレーキ・ライト・排気ガスなどの安全基準を確認
ただし、車検が切れた状態では公道を走行できません。整備工場や検査場まで移動する際は、仮ナンバーを取得するか業者に輸送を依頼しましょう。
正しい手順で継続検査を受ければ、安全に再びバイクを楽しめます。
継続検査の必要書類
継続検査を受けるには、必要な書類を事前に揃えておくことが大切です。書類が不足していると手続きが進められないため、準備段階で確認しておきましょう。
以下は、バイクの継続検査に必要な主な書類です。
【継続検査に必要な書類一覧】
| 書類名 | 内容・備考 |
| 自動車検査証 | 現在の車両情報を確認するために必要 |
| 自動車税納税証明書 | 有効期限内のものを用意 |
| 自賠責保険証明書 | 次の車検満了日まで有効な保険に加入 |
| 自動車重量税納付書 | 規定額の印紙を貼付して提出 |
| 申請書(OCRシート) | 運輸支局で配布。署名または押印が必要 |
| 検査票 | 持ち込み検査を受ける場合のみ必要 |
検査時には、印紙代や審査証紙などの費用も発生します。書類とあわせて準備しておくと、当日の手続きがスムーズに進みます。
継続検査の流れ
継続検査を受けるには、予約から検査までの流れを理解しておくことが大切です。
まず、インターネット(自動車検査予約システム)で希望日の予約を行います。次に、自動車検査証や自賠責保険証、納税証明書など必要書類を準備します。
運輸支局に書類を提出して受付を済ませた後、実際の検査に進みます。検査はブレーキ・ライト・排気ガスなど安全基準を確認する内容です。
初めての方は、事前に流れを把握しておくと安心です。不明点は検査官に相談し、指示に従って検査を受けましょう。
車検切れバイクを高く売却するポイント

車検が切れていても売却は可能です。ここでは、バイクを高く売るためのポイントを紹介します。
大切なのは、できるだけ良い印象を与えることです。エンジンをかけられる状態に整え、外装の汚れや錆を落として見た目をきれいにしておきましょう。
【高く売るためのコツ】
- エンジンが始動できるようにしておく
- 洗車や簡単な整備で清潔感を出す
- 純正パーツをそろえて査定に出す
- 春や夏など需要が高まる時期を狙う
- 複数の業者で見積もりを取る
「もう動かないかも」とあきらめず、少し手をかけるだけで査定額は変わります。丁寧に整えたバイクは、きっと良い価格で見てもらえるでしょう。
バイクの車検切れに関するよくある質問
最後に、バイクの車検切れに関するよくある質問を紹介します。
運転中に車検切れに気づいたらどうする?
運転中に車検が切れていることに気づいた場合は、すぐに運転を中止することが最優先です。
そのまま走行を続けると、道路運送車両法違反にあたり、罰則や免許停止などの処分を受けるおそれがあります。安全な場所にバイクを停め、レッカーやバイク輸送業者に連絡して自宅や整備工場まで運んでもらいましょう。
無理に自走するのは危険です。落ち着いて行動し、正しい手順で車検の更新を行うことで、トラブルを防ぎ安全に再び走行できます。
車検切れでも名義変更は可能?
車検が切れた状態でも、名義変更の手続きは可能です。普通車の場合は車検が有効でないと名義変更できませんが、バイクは別の扱いになります。
250ccを超えるバイクでも、車検が切れているだけで登録情報が消えるわけではないため、所有者変更の手続きは問題なく行えます。ただし、名義変更を済ませてもそのまま公道は走れません。新しい所有者が利用する場合は、車検を通してから走行するようにしましょう。
車検切れを防ぐための管理方法は?
車検切れを防ぐには、日頃から期限を意識して管理することが何より大切です。まず、車検満了日をスマートフォンのカレンダーやリマインダーに登録しましょう。1か月前には通知が届くよう設定しておくと安心です。
また、車検証に記載されている有効期限を定期的に確認する習慣をつけると、うっかり忘れを防げます。
車検切れのバイクでツーリングできる?
車検が切れたバイクでツーリングに出かけることは、法律で禁止されています。車検切れの状態で公道を走ると、道路運送車両法違反となり、罰則や免許停止の対象になります。たとえ短距離でも、自賠責保険が切れていればさらに重い処分を受けるおそれがあります。
ツーリングを楽しみたいなら、まずは車検を更新することが必要です。正しい手続きを行い、安全で快適なバイクライフを満喫しましょう。
正しい知識と手続きで車検切れバイクの不安を解消しよう
車検が切れていても、正しい知識と手続きを踏めば、安心して再びバイクに乗ることができます。まずは車検の有効期限を確認し、切れている場合は仮ナンバーの取得や継続検査の準備を進めましょう。罰則や手続きの流れを理解しておけば、慌てることはありません。
車検切れは決して珍しいことではありません。大切なのは、焦らず正しい順序で対応することです。
しっかり整備と手続きを行い、安全で快適なバイクライフを取り戻しましょう。
